
- 1. 学習量の急増
- 2. 「応用力」と「試験対策」が重視される
- 3. 「過去問演習」の重要性
- 4. 塾側の「選別戦略」
- 5. 個別対応が減る
- 6. 精神的・体力的な負担の増加
- 塾の戦略が生む「壁」の意図
塾や予備校では、小6、中3、高3という受験学年で学習内容や指導方針が大きく変わり、最上位クラスに留まることが困難になります。
最上位クラスは、講師・教材の質とも他のクラスより数段上で、現実問題として、最難関校(中学受験の御三家、高校受験の国立・開成・早慶付属、大学受験の東京一科・早慶)に合格するためには、秋以降最上位クラスに留まり続けることが合格への近道(裏をかえすと、最上位クラス以外での合格可能性は20%以下)です。
以下では、最上位クラスに留まるのが難しくなる理由を説明します。
1. 学習量の急増
通常授業の負荷増大
受験学年では、通常の授業時間が長くなり、扱う内容も一気に増えます。塾側は、短期間で広範囲の学習を終わらせるために進度を加速させます。
ちなみに、高校受験を例にとると、〇アカでは、 中3の夏以降、アドバンスやプログレスグラマーを用いた実践演習や実戦的な模試が本格化し、通常の予習復習だけでは追いつけなくなります。
追加授業の増加
最終学年になると、高額な季節講習や土日(ほぼ終日)の特訓コースなどの追加授業が増え、勉強時間がさらに必要になります。
2. 「応用力」と「試験対策」が重視される
基礎の理解から応用力の養成へ
これまでの勉強は基礎固めが中心でしたが、受験学年では応用問題や総合問題が頻繁に出題されます。
テキストの予習復習だけでは、このレベルの問題に十分に対応できません。
例えば、中学数学では、入試頻出の「二次関数」や「三平方の定理」などの複雑な問題が中心となり、応用力が問われます。
試験特有の戦略
時間配分や解答の優先順位など、試験で得点を最大化するためのテクニックが求められます。
3. 「過去問演習」の重要性
過去問対策の開始
受験学年では、過去問を解いて出題傾向を分析することが必須になります。
塾の最上位クラスは、この演習を前提として授業が進むため、過去問演習を怠ると授業についていけなくなることがあります。
ただ、中3の最上位クラスでさえ、志望校の過去問を授業で扱うのは11月ごろなので、早慶付属高校を狙うには着手が遅すぎると思われます。
4. 塾側の「選別戦略」
最上位クラスに留まる要件を厳しくする
塾は最上位クラスの成績を守るため、受験学年での昇降格を厳しくします。
授業内容が高度化し、宿題の量や質も上がるため、従来の予習復習だけでは競争についていけなくします。
塾のテキストの予習復習だけやるいわゆる「塾に課金してくれる真面目だけの生徒」ではなく、塾の合格実績を押し上げる「真の意味での優秀層」に最上位クラスに残ってもらい、最高の授業を受講してもらうことにより、一人でも多くの受講生に難関校に合格してもらう(ひいては、塾の合格実績に惹かれる翌年度以降の受講生を増やす)ことが、塾の至上命題だからです。
モチベーションの差別化
塾は、最上位クラスの生徒に強いプレッシャーをかけることで、競争意識をあおり、学習意欲を高めようとします。
5. 個別対応が減る
一斉授業へのシフト
受験学年では、一人ひとりに細かく対応する時間が減り、授業全体がハイペースになります。
予習復習だけで理解しきれず、下のクラスに降格する生徒が出てくるのは、この影響もあります。
6. 精神的・体力的な負担の増加
ストレスの影響
受験のプレッシャーや長時間の勉強による疲労感で、従来通りの学習ペースを維持するのが難しくなる生徒もいます。
競争の激化
最上位クラスでは、生徒同士の競争が激しくなり(弱肉強食)、これまでの努力だけでは成績が維持できなくなることがあります。
塾の戦略が生む「壁」の意図
塾が以上のような戦略を取るのは、次の理由からです。
最上位クラスの質を高め、実績を維持するため。
生徒に危機感を与え、努力を加速させるため。
難関校に合格するためのスキルを徹底的に鍛えるため。
そこで、生徒さん側でも、以下のような対策をとる必要があります。
計画的な学習
予習復習に加えて、応用問題や過去問演習を積極的に取り入れる。
時間管理
長時間学習(平日4時間、休日10時間、夏休み期間中はのべ400時間)に備えて、効率よく時間を使う工夫をする。
塾以外のリソース活用
家庭教師・過去問・参考書などで不足を補う。
つまり、最上位クラス(〇ピックスα、〇アカ必勝の選抜またはα、〇台の東大クラス)に残り続けるには、塾の戦略の変化を理解し、それに適応した学習法に移行することが必要です。
大手の塾や予備校は、黙っていても一定数の合格者を確保することが可能です。
そのため、特定の生徒さんの成績を引き上げ合格に導くような手間のかかることをする代わりに、合格可能性の高い優秀層を合格に導くような指導しかしません(〇緑会しかり)。
こうした塾や予備校の本音を十分理解したうえで、教育機関を選ぶことは親御さんの責任と言えるのではないでしょうか?