
こんにちは。
家庭教師として日々受験生をサポートしている中で、毎年必ず耳にする言葉があります。
それは、「過去問、○年分やりました!」というものです。
もちろん、過去問演習は受験対策の大きな柱です。
出題傾向を知り、時間配分を体感し、本番さながらの緊張感を養うためにも欠かせません。
ただし、「やった」という事実だけで満足してしまうと、せっかくの努力が十分に活きないことが多いのです。
「解いた後」が本当の勝負
過去問を解くこと自体は誰でもできます。問題を開き、時間を測り、解答を書き込む、ここまでは一人でも可能です。
大切なのはその後。どこで失点したのか、なぜその選択肢を選んだのか、記述の論理は適切か、こうした分析とフィードバックが不可欠です。
特に記述問題や論述問題は、自己採点では限界があります。
模範解答と見比べても「なんとなく合っている気がする」程度の判断になってしまいがちです。実際の採点基準は細かく設定されているため、専門的な視点がなければ見落としが多くなります。
「何年分やったか」よりも「どう取り組んだか」
「○○大学・✖✖高校の過去問を10年分やりました!」
という達成感は重要ですが、本当に大切なのはその内容をしっかり添削・分析したかどうかです。
1年分でも徹底的にフィードバックを受け、改善を重ねれば、学びの効果は何倍にもなります。
量より質を意識することが合格への近道です。

実施時期を間違えると逆効果に
過去問に挑戦するタイミングも重要です。
早すぎると基礎力が足りないまま挑戦することになり、点数が伸びずに自信をなくすことがあります。
逆に遅すぎると、出題傾向に慣れる時間が足りません。
家庭教師や塾の先生は日々の演習や模試の結果を見ながら、「今が始め時か」「もう少し基礎を固めてからにすべきか」を判断できます。
志望校によっては独特の出題形式があるため、過去問に入る前に“形式慣れ”のトレーニングが必要になるケースもあります。こうした判断は、経験ある指導者に任せるのが安心です。

効果的な過去問演習のステップ
過去問を活かすための具体的な流れは次の通りです。
時期を見極めてスタート(指導者と相談して決定)
↓
時間を測り本番形式で解く
↓
添削・採点を受ける(特に記述はプロに)
↓
フィードバックを踏まえて改善する
↓
同じ問題に再挑戦して定着を確認する
これらを意識すれば、過去問演習は「単なる練習」から「合格のための武器」へと変わります。
限られた時間を最大限に活かすために、ぜひ「過去問のやり方」にも目を向けていただければと思います。
